2009年8月20日木曜日

三つ子の魂


残暑お見舞い申し上げます。
8月も中旬になり、ようやく夏の暑さです。が、朝晩は秋の気配も。

先日、Trevisoの友人Alessandroから「バカンスで出かけてるかな~?」とメールが届きました。
「今年はずっと東京にいるわ」と返事をしたら、
「僕もどこへも行かないよ。仕事で問題があるから事務所閉めるの一週間だけなんだ」とのこと。
“トラブルがあっても一週間は休むんだぁ”と思うのは日本人だから。
イタリアで夏のバカンスは2週間が普通、長いと1ヶ月近く休むこともあるんですよね。

みなさんは、どんな夏休みをお過ごしでしたか?

夏休みではないのですが、先日、上野公園へ行ってきました。
「暑いなぁ。そういえば昨夏は、不忍池の蓮を見に来たんだ」と
蝉の鳴く声にちょっと懐かしい気分になりつつ、私の足は国立博物館へ。
この数年は2,3ヶ月のペースで通っています。
今回の目的は、【染付展】&【伊勢神宮展】。
前回の【阿修羅展】と違い、入館に長時間並ぶこともなく、
中へ入ってからもゆっくりと楽しむことができました。

「染付」は、白磁の素地にコバルトを含んだ顔料で絵付けをする方法、
14世紀の中国で始まり、アジア各地に広がりました。
優れたアジアの美術品として高く評価され、ヨーロッパにも多数輸出されていました。
日本の染付といえば、「伊万里」や「鍋島」。
東方貿易で財をなしたヴェネツィアでも、多くの日本の染付を見ました。
元・明時代の中国のものから朝鮮半島やベトナム、そして日本の素晴らしい作品を鑑賞。
最後は、「日常で染付を使う」というコンセプトのコーナーを楽しみました。

そしてもう一つの【伊勢神宮展】。
1300年まえから20年ごとに行われている「遷宮」が、
4年後にあるということで開催された展覧会です。
「遷宮」とは、正殿(御神体を奉っている建物)から納めている宝物まで
全てを造り替えて御神体を遷すことだとか。
遷宮の時には、「畏れ多い」という理由で古いものはほぼ全てを壊してしまっていたので
なかなか残っていないのが実情で、展示されているものはかなり貴重らしいです。

この展覧会は私にとって疑問ギモンの連続でした。
「神宮」なのに仏像があったり、
神像が「叙位されて、最後は従一位になった」などと説明がついていたり…
「神道」と「伊勢神宮」について、知らないことが多すぎることを痛感しました。
と同時に、「歴史知りたい病」が発生しつつあります。

この私の「歴史知りたい病」、どうやら母からの影響らしいと最近気がつきました。
子どもの頃の私にとって「国立博物館は母と一緒に行く場所」であり、
電車に乗っていると「この駅の近くは、江戸時代にはこんな場所だった」という話を聞かされていました。
今でも、母が読む本のほとんどは「歴史小説」や「歴史関連本」。
母が読んだ本が私の手元に来たり、その私の本が母のところへ行ったり
私が大好きな「世界ふしぎ発見!」は、放送開始の時から母と共通の楽しみのひとつなんです。

そういえば、祖母も「歴史好き」。
「三つ子の魂、百まで」―実感します。

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