2011年3月10日木曜日

里帰り

久しぶりに美術館。
恵比寿(広尾?)にある山種美術館で開催の「ボストン美術館 浮世絵 名作展」
“ボストン発のニッポン初”というコピーの通り、浮世絵の里帰りです。

あまりにも単純ですが「素晴らしい」の一言。
作品の質量はもちろん色の美しさなどの保存状態も含め、ボストンで大切にされていることが伝わってきます。

清長、歌麿、写楽などの絵師の才能もさることながら、一つの作品に仕上げる彫り師、摺り師の技術があって「浮世絵」が出来上がっていることをしみじみと感じました。
繊細な線や色の表現、から摺りやきめ出しという技法で着物の地模様を表す…状態の良い作品だからこそ堪能できたのではないかと思います。

そして、浮世絵とは直接関係ないのですが…
浮世絵には遊郭の女性が多いのですが、そこには禿(かむろ-6-7歳の童女)や新造(15歳くらいの見習い遊女)の少女たちも一緒に描かれていて、太夫や花魁といったお姐さんと同じ生地や柄の着物を着ているのです。少女たちはお姐さんの妹のような存在だったのでしょう。
いろいろな事情で遊郭へやってきた女性たちの心の拠りどころのようなものを見た気がします。

その他、歌舞伎役者や五節句の様子、茶店などの看板娘(今で言う読者モデル?)などなど、作品としての芸術性に加え、当時の風俗を知ることもできる浮世絵(錦絵)。外国にあるものもまだあるようなので、たくさん里帰りしてほしいものです。

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